市場の働きとはなにか
こんにちは、水産業界にいるホタテ王子です
皆さんは「市場」と聞くとどのようなイメージがわきますか?
大体の方は「料理人が行くところ」「鮮度が良くて安い」などをイメージされるのではないでしょうか。
今回は市場の働きについて考えてみましょう。
市場の働きには大きく分けて3つの働きがあります。
- 荷物を集めること
- 値段を決めること
- 荷物を届けること
があります。
・荷物を集めること
皆さんがスーパーで買うような野菜やお魚はどこで作られているか想像がつきますか?
どんな人が作っているか想像がつきますか?
きっと皆さんの想像通り、都心ではない地方で、おじさんおばさんなどの方が生産しています。
これら1次生産者は消費地とは遠い場所で作られます。
また、生産者は「作る」ことのプロですが「売る」ことのプロではありません。
市場ではそうした生産者、売る力があ有ない方などから荷物を集め、市場が「売る」ということをします。
ですので、市場のことを別名「荷受け」とも呼びます。
全国の地方から荷物(生産物)を受け取る、ということです。
・値段を決めること
市場ではこのようにして全国から生産物が集まってきます。お魚であれば天然で漁獲されたものや、養殖されたものなど様々です。
こうしてたくさん集められた商品は「競り(せり)」と呼ばれる方法や「相対(あいたい)」といった方法でその商品に値段が決められます。
競りでは、その時に応じた需要と供給バランスを見ながら価格が変動します。
例えばサンマがたーーくさん取れたとき、欲しい人に対してサンマが多いので値段を下げてたくさん売ります。
逆に、サンマが大不漁で全然取れなかったとき、欲しい人に対してサンマが少ないので価格を高くして需要を抑えます。
このように欲しい人と生産量のバランスを見ながら競りでは価格が変動していきます。
一方「相対」と呼ばれる制度では、競りのように毎日どのんなものがどのくらい来るかわからないのではなく
もともと買う人が決まっていて、その人と市場の間で値段をあらかじめ決め、欲しいものを欲しい数量産地から取り寄せることです。
飼う人は市場を経由し全国から鮮度の良いものを買え、市場はあらかじめ値段が決まっているので商売の計画も立てやすいということです。
この競りと相対はエリアによってバラバラです。
全国平均では現在 競り:相対=3:7くらいですが
名古屋などの目の前に豊な漁場がありたくさん物語れる市場では競り:相対=7:3と割合は逆転しています。
なんで東京は高くて、大阪屋名古屋では安いのか。理由はこういったところにあるんですね。
・荷物を届けること
市場はこのように、荷物を全国から集め、値段を決めたら、その商品をお客様に届けることもします。
市場では①大卸→②仲卸→③お客
の流れで商品やお金が流れています。
基本的に市場内には①大卸と②仲卸がいます。
仲卸はお客の要望を聞き、大卸から競りなどを通じて商品を買い
お客様に届けています。
市場の近くには生産地から物が届く大型トラックと、お客のもとへ届ける小型トラックがあります。
市場尾行った際にはぜひ見てみてください。
大型トラックは地方ナンバー
小型トラックは市場があるナンバーです
「あ、これは地方から物を運んできたんだな」「魚臭いから魚専用なのかな」など面白い目線で市場を見ることもできます。
市場の機能は様々
今回は大きな役割の3つを紹介しましたが他にも役割はあります。
また、最近市場法が改正され、昔ながらの市場の仕組みがこれから徐々に変化していくでしょう。
変化の中で市場の役割は変わっていきます。
これから市場が成長するのか、衰退するのかは今、どのように行動するかにかかっています。
日本の1次産業を再興するためには市場の力も必要です。
安ければよい、という考えではなく良いものを適正な値段で買うことを考えながらこれからもおいしいものを食べてくださいね。
以上