スーパーにお魚が並ぶまで
こんにちは、ほたて王子です
皆さんが買い物に行くのは今やスーパーで一通り必要な食材を買うのが当たり前の時代になってきています。
「野菜は八百屋、肉は肉屋、魚は魚屋・・・」とそれぞれの店舗に足を運ぶ方は少ないのではないでしょうか?
今回はスーパーにお魚が並ぶまでについてお話します
そもそもスーパーって?
世界で初めてスーパーマーケットができたのは1930年、アメリカが発祥との説があります。
これはお客が自分で欲しいものを選び、かつ低価格帯で様々な食料品が買えるという当時の小売り業態の中では画期的なシステムだったのです。
なぜ低価格なのか、それはお客様がセルフサービスで欲しいものをピックアップしレジに来る。またスーパーとしてはたくさんの商品を仕入れることで安くできたというわけです。
スーパーマーケットの歴史
それでは日本初のスーパーマーケットはどこかというと2説あります。
1つ目が「紀伊国屋」です。今でも高級スーパーとして知られていますが1953年にオープンしたのが発祥という説があります。
2つ目は紀伊国屋の3年後、1956年に福岡県北九州市で開店した「丸和フードセンター」です。
なぜ後発の丸和フードサービスが発祥なのかというと、「価格が安い」からです。
紀伊国屋はもともと高級志向であり、当時でもかなり上位層向けのお店でした。一方丸和フードサービスでは庶民向けの価格設定で様々な食料品が買えるスーパーです。
また、スーパーマーケットという言葉を日本で初めて店名に使ったのは、京阪電気鉄道株式会社が1952年(昭和27年)旧京橋駅構内に開店した「京阪スーパーマーケット」でした。
その後高度経済成長期を迎えた日本では西部ストアー、ダイエー、ヨーカ堂などが次々に開店していきました。
スーパーに商品が並ぶまで
現在、スーパーに商品が並ぶまで代替2パターンあります
①生産者(メーカー)→市場→仲卸→スーパー
②生産者(メーカー)→スーパー
の2パターンがあります。(もちろん細かく見ればもっとほかの流通経路があります。
まずは①生産者(メーカー)→市場→仲卸→スーパーについて説明します
市場の役割
市場といえば皆さんは築地や豊洲市場を思いつきますか?
豊洲などのおおきな市場は「中央卸売市場」
地方にある小さな卸売市場を「地方卸売市場」と言います
日本には中央卸売市場は「64」地方卸売市場は「1092」あります(H26年情報)
市場はその地方の特産品、または全国から集まってきた荷物の「価値」を決め全国へ販売しています
市場は基本的に大卸(おおおろし)→仲卸(なかおろし)→小売りというように順を辿って販売していきます、
大卸の機能は全国から荷物を一手に引き受け、セリと呼ばれる競売を経て物の価値を決め、仲卸に販売します。
仲卸は大卸が集めてきた荷物の品質を見極め、一般人では見分けのつかないような差に気づき少しでも良いものを少しでも安くセリで落とします
次に仲卸は小さな飲食店や地元のスーパーなど、お得意様に大卸から買ったものを販売します。
仲卸では、魚などを丸々のままのものを刺身用に加工したりする加工機能も持ちます。
このように市場では複数のステップを踏んで最終的にスーパーなどに納品されます。
いろいろ挟む分値段は大卸に売る値段と、仲卸がスーパーに売る値段は違ってきます。
なぜ市場の機能が必要なのか
市場は2つの機能があります
①製品の価値を決める②製品を受け取り販売する
この2つがあります。
価値を決めるのはセリなどを通じ日本の需要と供給を見定めその製品の価値を決めることが出来ます。
生産者は「ものをつくる」ことに特化し「ものを販売する」について手が回っていない方が多くいます
その為生産者はとにかくよいものをたくさん作り市場へその商品を送ります。市場は生産者から買い取りその製品をセリを通じて仲卸に販売するのです。
大手企業のメーカーは生産能力+販売営業能力があるので「うる力」がありますが
地方の個人生産者は自ら営業して売る力はないため、その部分を市場に頼んでいるということです
こうして生産者から市場に集められた商品が仲卸を通じてスーパーへと納品されます
スーパー独自のセンターについて
続いて市場を使わない流れについてです
これまでは市場を通じて生産者からスーパーにものが流れていきましたが
時代は変わり、物流経路や商流、大規模生産などにより市場を通さずスーパーへ直接納品する流れが出てきました。
今までは市場にたくさんの荷物が届き仲卸がスーパーへ運んでいた経路を
生産者→スーパーのセンター(大きなスーパー独自の倉庫)へ納品し、そのスーパーのセンターで全国のスーパーへ運んだり加工したりする機能があります。
この方法だとスーパーは市場や仲卸を通さないためいつもより安い値段、もしくは同等の値段で製品を確保することが出来ます。
また、独自のセンターで製品を管理するため臨機応変の加工や、市場の休市などを考慮せずに済みます。
一般的に市場は日曜日と水曜日がお休みです。
一方スーパーは基本的に365日営業しているところが多いですよね?
センターには物流機能を集約している機能に加え、「加工機能」も加わっています
スーパーの魚コーナーでは、奥で魚をさばいてる様子が見えるスーパーもあれば、そうでないスーパーもあります。
これまでは市場などで加工度の低い状態でスーパーに納品され、スーパーのバックヤードで加工・販売がメインでした。
しかし昨今の人手不足問題により、各店舗ごとでの加工が難しくなっています。
それを解消するのがセンターで一括で加工し、加工されて並べるだけの状態のものを各スーパーに納品するという方法です。
コンビニをイメージしてもらえると分かりやすいですね。コンビニではどこかで加工したものがトラックに運ばれてきます。
スーパーでもその流れが進んでいます。ですがすべてがこうなってしまうと「鮮度」が落ちてしまうため今でも人気のあるスーパーや活気があすところではお店で加工する体制を貫いています。
スーパーは物流が大切
さて、以上スーパーにお魚が並ぶまで2つを紹介しましたが、どちらにも大切なことは「物流」です
たとえ良いものができても。たとえ良い施設があっても、そこにモノが届かなければ無価値となってしまいます。
市場は夜中の12時~3時がメインの稼働時間です。その夜中にトラックの運転手が大切な商品を日本全国隅々まで運んでいます。
今では東京のスーパーで機能水揚げした九州の魚が食べたれるのはこうした「物流」を支えている人たちのおかげです。
スーパーにものが並ぶまで「生産者」「市場」「物流業者」様々な人が支えあって成り立っています。
何気なくスーパーで買えるものも、こう考えたら「すごい!」と思えるのではないでしょうか。
これからも楽しいお買い物生活をしていきましょう!