鰹【かつお・カツオ】

こんにちは!

青森県のホタテ王子こと塩越です。

最近台風や大雨などで日本が神様にいじめられているようなきがしています。

さて

本日のお魚は「鰹(カツオ)」です

初ガツオと戻りガツオ

「初ガツオ」って聞いたことあります?

二月の上旬のころ

青森では大雪でまだまだ冬真っ盛りの中

南のほうからはぼちぼちとカツオの便りが聞こえてきます

8,9キロの大型サイズのカツオの群れが

種子島から屋久島のあたりまで回遊してきています

これらのカツオは

空輸便にてカツオの北上を追いかけるように豊洲市場へと入荷されてきます

魚体は大きく、鮮度抜群

しかし、身は真っ赤に染まり、脂も全くありません

これらのカツオは「初ガツオ」ではなく、いずれそのままどこかに消えてしまうカツオ

一方、別のカツオの群れが黒潮に乗り

さらにさらに北上してきます

3月に入るころ

鹿児島から土佐沖を通過し、紀州沖あたりに到達しています

近年、市場ではこのころのカツオを大量にとり始めます

これが「初ガツオ」先取りとなります

初ガツオは戻りガツオよりもはるかに高値になるため

宮崎県日南、高知県室戸、土佐、佐賀あたりから最優先に出荷されてきます

外房勝浦の最新鋭、最高馬力の漁船の群れがほぼ日戻りの状態でカツオを獲ってきます(めっちゃしんどいらしい)

とにかく勝浦港、豊洲へ

このころのカツオは

ほぼすべて豊洲か勝浦港へと運び込まれてきます

しかしいくら初ガツオといえども

今だ脂乗りもそれほどではなく、香りも少なく

寿司や刺身には不十分

まだまだ旬ではありません・・・

3月中旬から旬きたる

いよいよ、3月中旬

初ガツオの魚群の先陣がついに伊豆沖に達します

やがて4月に入り、三浦半島沖から房総沖にかけてのカツオ漁は、最盛期を迎えます

いよいよ本当の初ガツオの旬が来るのです

江戸っ子を熱狂させた初ガツオ

江戸時代に江戸っ子を熱狂させた初ガツオは

鎌倉河岸から入荷したものとされています


なぜ初ガツオに熱狂したのでしょうか?

黒の背皮と銀色の腹皮には

数本の横縞をくっきりと示し

粋でスタイリッシュなその姿を持ちながらも

身肉の鮮やかな鮮紅色は、ちょっと手入れを怠るだけですぐにどす黒く変色してしまいます

(いまもスーパーのカツオは色が悪いときがある。ちなみに色が悪くなったカツオは「鰹たたき」としてごまかしています・・・)

今でさえ管理が難しく、旬が一瞬な初ガツオを江戸っ子のはどうにかこうにか美味しく食べようとし

意地と誇りをかけた壮絶な競争世界があったと思います

だからこそ江戸っ子たちは女房を質に入れてでも、初ガツオを求めて奮い立ったのです

(カツオのために女房を質に入れてはいけません)

この、鮮度や扱いを求めた意地と誇りの世界は、近年の初ガツオでは見られなくなり

その代わりに、江戸前寿司のコハダの「新子」に受け継がれています

最近の初ガツオ

近年の初ガツオの旬は1か月ほど早まっていると言われています

カツオは好漁年と不漁年賀隔年で出てくるような魚であったが、ここ最近は質や量ともに不良な年が続き

しっかり脂ののったカツオが少ないようです

そのため初ガツオ使用禁止が出た年もあります

これからの時代では資源量を管理し、持続的にカツオを獲っていかなければならないですね

NEXT「おいしいカツオの選び方」