鰹【かつお・カツオ】
美味しいカツオの選び方
みんなが一番気になるのが、何はともあれ「おいしさ」ですよね?
しかしながら、カツオに至っては脂ののった美味しいカツオを見分けるのは
プロでもめちゃくちゃ難しいらしいです
うまい魚を選別する際は
諸々のいろいろな条件を検討したうえで、「魚体」「姿」「形」「色」などで判断する必要があります
カツオの選別の難しさは、この最終チェックの時点で多々騙される点があるということです
鮮度だけを判断するのは簡単です
しかし「脂の乗り」を判断するのが難しいのです
それでも脂ののった美味しいカツオを食べたい!!という皆さん
教えます(小声)
まず、銀色の腹を見ます
腹には数本の横縞があります
その縞模様が濃くはっきりしているのはダメです
砂刷りを中心に、全体的に線の色がぼけて薄くなっているのが良いのです
しかし、さらに難しい点があります
それは身肉を食べてみたら渋みを感じるカツオがあるということ
初ガツオのおいしさは、微かな酸味と鮮烈な香りが重要
そこに渋みは大敵となるのです
では渋みがないカツオを選ぶには?
渋みの無いカツオをえらぶにはどうしたらよいか
これはいったん包丁を入れなければわからないのです
魚屋に頭を落としてもらい切り口に指を突っ込み少し食べてみましょう
これで渋みのあるなしははっきりわかりますね
(これは超応用編ですね笑)
とはいえ初ガツオの旬は一瞬
5月中旬にもなると味は落ち
1流の寿司屋はもう見向きもしなくなってしまいます
本当においしい「初ガツオ」をぜひ皆さんも1度はご賞味いただきたい
戻りガツオ
黒潮に乗って北上してくるカツオの先陣は
お盆期間の8月中旬に三陸沖に達し、さらに北上して北海道の東の沖合へ行きます
しばしの回遊後、産卵の準備のためにも売れるな食欲を発揮しはじめます
これらのカツオは餌である小魚を追いかけて今度は南下してきます
このカツオの群れを「戻りガツオ」と呼びます
産卵のための猛烈な食欲は、身肉に見事なまでに脂をのせていき、通称「トロガツオ」と呼ばれます
1990年代の寿司屋では初ガツオを追い求めても、戻りガツオには見向きもしませんでした
これは「初ガツオ」がそれほどまでに、旬の旨さと、鮮烈な季節感があり
職人はそれを大切にしていたからです
しかし、マグロの世界での赤身からトロへの嗜好の変化と同様に
戻りガツオの脂身の旨さは、最近では初ガツオの人気をも凌ぐものとなってきています
宮城県石巻、気仙沼も戻りガツオが盛んに漁獲され
大学在学時は良く食べていたのを思い出しました・・・
カツオの獲り方
カツオの獲り方といえば、皆さんは「1本釣り」が1番に思いつくかもしれませんがそれ以外にも漁法はあります
- 1本釣り
言わずと知れたカツオの漁法
その豪快な漁法のため、カツオといたら1本釣り!となっているが、つられた後に甲板に叩き落され、打ち身ができるため、最近では最高級品としての評価を落としています - 引き縄漁
数十本の針に餌を付けて流し、カツオがかかったら引き上げます。カツオの漁法としては一番魚体を傷付けないが、漁獲量に限界があります。 - 定置網漁
カツオが回遊で進んでいく方向に網を仕掛けておき、1度入ると出られなくなる、この漁法も理想的だが大量に漁獲することはできない - 巻き網漁
2つの船で行い、大量の漁獲には最適な方法だが、魚体への傷や、鮮度保持が難しい
ちなみに初ガツオには毎年高値が付くため、大量の漁獲量は必要ありません
それよりも鮮度保持が一番重要であり、1本釣りや引き縄漁が基本となります
逆に戻りガツオでは大量の漁獲量を得るために、巻き網漁が主役となります
カツオのおいしさと料理方法
初ガツオのおいしさは、鮮明な赤色と血の匂いも含んだ微かな酸味
さらにはさわやかな初夏の訪れを感じさせる季節感にあります
一方、戻りガツオには、マグロの中トロにも似た脂の乗りが人気の理由です
関東では、カツオは皮を引いて刺身や握りにするのが通例でした
しかし現在では、高知県の土佐造りが人気になっています
土佐造りの方法
- 5枚卸にする
- 血合いや腹骨を取り除く
- 金串を身に打つ
- 酒・塩を振る(適当に)
- 藁を燃やす(難易度高め)
- 皮目と身肉を強火で焼く
- アツアツのうちに切り付ける
- たっぷりの薬味と調味料で食べる(うまい!)
ちなみにご家庭で行うときは、藁は無理だと思うので、備長炭やガス火でもOKです
ただ、ガスコンロで直接やると
魚の脂が飛びまくって結構悲しいことになります(実践済み)
以上!
みんなでおいしい魚食べましょうね!